アスリートがフォームを変えることは、
今までできていた演技ができなくなる可能性が高いです。
「習慣で人は動く」ことを
アレクサンダー・テクニークで学んで、
浅田真央さんが挑んだフォーム矯正が
どれだけ選手生命に関わることかがわかりました。
浅田真央さんは2010年バンクーバーオリンピックが終わって、
「スケートの基礎から見直したい」と
佐藤信夫コーチにお願いしたのですが、
何度か断られています。
「これだけ出来上がった選手を指導できない」と
断った理由をおっしゃってますが、
最終的には浅田真央さんのコーチに就任します。
諸事情がありコーチ不在でトレーニングをして
試合に出場してきた浅田真央さん。
どうしても我流のクセがが
ついてしまうのは仕方なかった。
それでも素晴らしい滑りは変わりないのですが。
アスリートが競技をするときには、
それぞれ独特のクセがあります。
素人目にはわかりませんが、
アスリート自身がそのクセがないと競技ができない。
思い込みではなく習慣として身についているのでしょう。
だからフォームを矯正することはその習慣を矯正すること。
当然今までできたことができなくなる可能性が大きいのです。
だから佐藤信夫コーチは、浅田真央さんのコーチに
なることをためらったのだと思います。
アレクサンダー・テクニークのトレーニングで
時々パフォーマンスのレッスンを見せていただくのですが、
習慣を手放すと覚えていたセリフなどが言えなくなるのです。
アスリートもそれと同じことが起こるのでしょう。
確かに佐藤信夫コーチに師事して
成績が振るわなかったこと、
滑りが変わったことは覚えています。
ですが浅田真央さんの諦めない心と
佐藤信夫コーチの指導で
浅田真央さんは伝説のスケーターになりました。
自分の選手生命をかけてまで、
スケートにかけた浅田真央さんと
覚悟を決めてコーチを引き受けた佐藤信夫コーチ。
アスリートのただならぬ覚悟を見せつけられた数年間でした。
そして「習慣を手放すこと」が
アスリートやアーティスト生命に関わることを、
アレクサンダー・テクニークが気づかせてくれました。
peacefuly.
試合では「何秒以上続く」「円の直径」など
ジャッジの基準があります。
浅田真央さんはプロに転向なさったから、
今はジャッジにとらわれず、
自由に滑れているのでしょうか。